第8話
『強い虎は逃げるのが苦手』
(挿絵:シェンナ隊員)
《前回のあらすじ》
よっ!オレタイガ。OFFレンの女子隊員とイチャイチャしようと思ったんだけどパープルちゃんしかいなかったんだよね~。
とりあえず2人で駆け落ちしちゃったわけ。これからどこへいこうかな~
OFFレン本部
「パープルがタイガと駆け落ちねぇ……」
「レッドが活動休止中でよかったね」
「きっと怒り狂ってるだろうね」
「まぁ、そういう設定だしね」
「そんなことはどうでもいいんですっ!」
グリーンがやけに興奮している。そうかちょうど駆け落ちして間もない頃あの紙を見つけたのはグリーンだったっけ。
「今時駆け落ちですよ!駆け落ち!何かあったらどうするんですか!」
「まぁ、まぁ、2人とも15,6の少年少女なんだから」
「15,16の少年少女が今一番危ないんですよ。援助交際だの若気の至りが多々……」
「グリーンって頭の古い人間じゃないんだしさもっとオープンに行こうよ」
「そうそう」
男子隊員はいやに駆け落ちを肯定的。まぁ自分の想い人は無事だからね
「じゃぁこうしましょう。いち早くパープルをつれて帰った人には500円上げます」
「今時500円じゃぁ若者の心は動かせないなグリーン」
「うぅ~……じゃぁ旧500円玉でどうでしょう?」
「いや、そういう問題じゃぁ……」
一方、虎&紫ペアは……
「で?どうすんの?タイガくん」
「ん?とりあえず 安いアパート探して、3ヶ月くらい同棲して婚約もう半年したら子供作るでどうかな?」
「そういうことじゃなくて、何処へ行くの?」
「ん~……じゃぁアパートでも探そうか?」
「え~……センスないなぁ……それじゃぁ精神年齢40代の自分は落とせそうもないね」
「じゃぁ健康ランドにでも行こうか……?」
「うん♪いいかも」
「^^;」
「じゃぁ昭和64年の500円玉でどうですっ!貴重ですよ!」
「だからぁ……そういうのよりさぁもっと派手な商品がいいな俺達」
「派手ですか……では温泉旅行ペア招待券とかどうでしょう?」
「ぉいいねぇ賛成!」
「オレも!「俺も!」
「じゃぁレッツゴー♪」
「……まだあげるって決めたわけじゃ……」
【尾布市わくわく♪健康ランド】
「ついたよ」
「おぉっ、いい感じだねタイガくん」(ホントは海とか行きたかったんだけどなぁ……ロマンチックにさぁ)
「ん?」
「あ、いやいや別に……」
「じゃぁ入ろうか」
(オレ……人選間違えたかも……

室内はやっぱり健康ランドだな~と言う感じで若者向きではない場所だ特にタイガ自身この場所の雰囲気に押しつぶされそうだった
「年寄りばっかりかよ……くそっ……もっとこうロマンチックでさぁ……」
「どうしたのタイガくん?ここ嫌だった?」
「あ、ううん別に!ホラ!元はといえばオレが!誘ったんだし!」
「そう、あ、そうだここのお風呂12種類くらいのお風呂あるんだって入らない?」
「えっ!?」
男が女性に言われて嬉しい言葉TOP10に入るかのようなこの言葉その言葉を聞いてタイガはしばし頭を整理。
(ど、どうする……オレが……オレがパープルちゃんと風呂へ!?いや!待てよ……
これはひょっとして誘ってる!?オレを誘ってるのか!?お風呂言った後、浴衣着て気持ちよくなったところを襲ってくださいってか!?
くぅ~!パープルちゃんも粋な計らいをするぜちくしょぅ!)
とか思っていた。
「石鹸買う?」
「いらない!石鹸なんていらない!」
「タオルは?」
「全然いらない!もう全然っ!」
「そ、そう……」
何故急にタイガが元気になったかまったくわからないパープル。何はともあれ自分の分を購入し早速脱衣所へ
「じゃぁお風呂行こうか」
「行こう行こう♪」
【女湯】
「ババァばっかり……でもいいさオレにはパープルちゃんが……」
「じゃぁタイガくん。またね」
「へ?」
「ここ女湯。タイガくん男の子でしょ?」
「え……風呂って女と男別れてんのか……?」
「銭湯とかいったことないの?」
「な、ないけど……」
「じゃぁ改めて説明するけど普通は男女別なの」
「(いつも男共と入っているから知らなかったぜ……)」
「じゃぁもう説明したからいいでしょ。ハイまた後で会おうね」
「そ、そんなぁ!パープルちゃ~ん」
女湯の脱衣所から動こうとしないタイガ。健康ランドのスタッフに連行されながら退場
「コラっ!はなせっ!ガルルルルルルッ!!」
「またね~」
出口に強制連行されたタイガくん。そこに運悪くOFFレン到着
「いたっ!タイガだ!」
「しまった!」
「パープルを返してもらおうか!エロ猫男!」
「ウルサイウルサイ!オレはエロでもないし、猫でもない!」
タイガが健康ランドの中へ逃げていく
「待てっ!温泉ペア旅行券!」
「なんだよそれー!」
【女湯】
「パープルちゃん!逃げよう!OFFレンジャーだ!」
「ちょっと!なんで女湯に入ってくんの!?」
「逃げよう!一緒に!」
「な、なんで……もういいじゃない。楽しかったよ」
「オレは……今パープルちゃん一筋だから……」
「っ……」
女湯から逃げ出すタイガとパープル。しかしOFFレンジャーが目の前に待ち構えていた
「盗人猛々しいとはこのことだよね」
「パープルを引き渡してもらいましょうか。ボス代理様」
タイガは諦めずOFFレンに突っ込んでいったがあえなく御用となった
「コラ!指はなせ!指!」
「…………」
「シッポ掴むな!コラ!」
「…………」
「もういいよタイガくん。ありがと」
「ぱ、パープルちゃん……」
「これお礼ね」
「!」
「はぁ……」
最近パープルは哀愁が漂っている。ため息ばかり
「パープル元気ないね」
「なんだかね……女湯であったときのタイガくんが妙にちらついて……」
「恋……?」
「いや、それは絶対絶対違うと思う」
「そんな拒絶しなくても……」
一方こちらも哀愁漂いため息ばかり。
「タイガ様……もしもし?もしもーし」
「はぁ……」
「どうしたんですか……?タイガ様駆け落ちしてから様子が変ですよ?」
「薬が悪かったのでしょうか……?」
「いや……なんだかなぁ……ここの所オレ変でさ……」
「病院行きますか?」
「いや、いい……」
「あ、それなんですか?タイガ様」
「髪留めっすか?」
「あぁ、パープルちゃんのな……」
